二上山 (奈良県・大阪府) (Mt. Nijo (a mountain stretching in Nara Prefecture and Osaka Prefecture))

二上山(にじょうざん)は、奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町 (大阪府)を跨いでいる山。
金剛山地の北部に位置する。
古来、「ふたかみやま」と呼ばれていた。
厳密には北方の「雄岳」(517m)と、南方の「雌岳」(474m)の2つの山頂がある。

地理

金剛山地の北部に位置。
金剛生駒紀泉国定公園の区域でもあり、自然が豊か。

北側には、火山活動でできたとされる屯鶴峯がある。
付近には、近鉄大阪線・近鉄南大阪線・国道165号(長尾街道)が通っている。
交通の要所となっている。

南側は、竹内街道が通っていた。
現在は、国道166号が通っている。

西側、太子町 (大阪府)付近は、「近つ飛鳥」(河内飛鳥)と呼ばれている。
陵墓・古墳など、遺構が多く残っている。
二上山万葉の森や大阪府立近つ飛鳥博物館もある。

東側、葛城市には、麓に当麻寺がある。

雄岳山頂には、大津皇子墓地(がある)。
その他に、葛木二上神社(祭神は豊布都霊神・大国(御)魂神)もある。

二上山は、「近つ飛鳥」や「当麻寺」を絡め、ハイキングコースとなっている。
山頂の付近は、奈良盆地が一望できる。
雄岳から雌岳への途中から、大阪湾・大阪平野が(一望できる)。
雌岳の南方からは、大和葛城山・金剛山 (金剛山地)の山並みを一望することができる。

有史以前

二上山周辺は、火成岩や火砕流堆積物が分布している。
(その)ことから、火山であったと考えられている。
約2000万年前の大噴火により形作られたと言われている。
活動時期は、新第三紀と推定される。
最終活動時期は、約1400万年前と推定されている。

二上山は死火山で、今後、噴火可能性はなく、地図で火山として分類されることはない。

有史以後

古来より、雄岳・雌岳の間に日が沈む様子から、神聖な山岳として、人々から崇められてきた。

古墳時代から飛鳥時代にかけて、二上山周辺は、海上の交通の要所、大阪湾・住吉津・難波津から、政治の中心の舞台である飛鳥地方への重要ルートとなった。
二上山の南に、日本で最初の官道として知られる竹内街道が作られた。

前記の時代に謀反の疑惑をかけられて自害した、大津皇子の墓が雄岳山頂付近にある。

万葉集には二上山を詠んだ歌がいくつか収録されている。

岳のぼり

古くから、二上山の水を農業に使っている大和国側の村人が、春に「岳のぼり」と称し、二上山に登っていた。
神を迎えていた。
大和高田市域の築山村・神楽村からも徒歩で村人が往来した。
現在は有志により、毎年4月23日に「岳のぼり」が行われている。

交通アクセス

近鉄南大阪線の上ノ太子駅・二上山駅・二上神社口駅・当麻寺駅のいずれかからハイキングコース。

[English Translation]